95歳の手

2009年11月30日

今日は職場の施設でこんなことがあった。

95歳のMおばあちゃん。
笑顔がとにかく愛らしく、
いつももんぺ姿。
小柄で、お人形さんみたいに
フロアのソファにちょこんと座ってる。

私が前を通りかかったら、
「お姉ちゃん、頼みごとがあるんだけど・・・」
って、私の手をとってぎゅっと放さない。

廊下に張ってあるMおばあちゃん自身が書いた
お習字の字が気に入らないから、
これと交換してほしいとお願いされた。

手に持ってたのは、すでに自分の持ってきた筆を使って
書き直したお習字だった。

私は、おぼつかない足取りのMおばあちゃんと
がっちり手をつないで廊下まで歩いた。

お習字を張り替えたあとにMおばあちゃんが
「こっちのほうが、かっこうがいいでしょう。」
って私にそのよさを一つ一つ一生懸命説明してくれた。

とっても満たされた嬉しそうな表情をしてた。


95歳という年齢でも、

自分に妥協しない強さ。

「私は私」という自分へのこだわり。

「さらに。もっと。」という向上心。


そして、手のしわの数。


おばあちゃんの手にはいろんなことを乗り越えてきた証が残ってる。

小さい手だけど、
筆を持つ手は繊細で
私の腕をつかむ手は力強く、
そしてあったかい。

Mおばあちゃんの手を握りながら
もと来た道を帰る。


私が支えてるはずなのに
なんだか私が支えられてる感じがした。



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Posted by スマイル at 22:47│Comments(0)日記
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